マンションにおいての問題点とは何か。
 マンションに居住されている方はどれくらい認識しているでしょうか?最近入居さ
れた方、すでに10年以上住まわれている方。
 もし、ここで書く内容についてまったく思い当たらないと言う方は、とても幸せな方
といえるでしょう。
 しかし、いつかは起こる問題と考えてください。決して対岸の火事ではないというこ
とを。また、これからマンションを購入されるかたも十分マンションで生活するというこ
とはどういうことかを、判例を通じて考えてみてください。後悔しないためにです。
<主なマンションにおけるトラブル>
      1 共用部分か専用部分かの問題
          費用負担や、便益の享受での不公平感
          駐車場、屋上の広告等 
      2 周辺住民との紛争
      3 ペット問題 
      4 生活紛争
         居住マナーの問題
      5 管理組合の問題
         理事のなりてがいない
         長く特定の人が理事を行うことにより起きる問題
      6 復旧・建替
         これらについては、販売側の説明不足もありますが、自己責任の時
        代です
       知らないあなたがいけないと言われるケースもあります。
       だからと言ってマンション生活を否定するわけではありません。
       お互いにマナーを守っていけば、快適な生活をおくれます。転ばぬ先の
       杖として読んでください。    
 
  1、内容
   「区分所有者の有するマンション駐車場等の専用使用権を有償化する集会決議に
   よる使用料額の設定と社会通念上相当と認められる範囲」
 
  2、駐車場問題
   一家に二台の時代。駐車場は居住者になくてはならないものです。
   すべての居住者に駐車場が用意されていない場合
    ・ 抽選でマンション敷地内の使用者を決める。
    ・ 標準管理規約で最初から使用者が決められている
    ・ 敷地内の駐車場を使用できない人のために管理組合が敷地外の
     駐車場を借り、居住者に貸すケース
 
 
 3、駐車場を法的に見た場合
    ・ 建物内部側にある「屋内駐車場」
       建物の一部として、専有部分か共用部分であるかの紛争が未だにたえ
      ない

    ・ 建物外部にある「屋外駐車場」
       単なる敷地上の利用権の問題として、それが法的には共用部分である
      点に争いはなく、両者は法的に性格を大いにことにする
 
 4、屋外駐車場の問題点
    ・ 特定の駐車場利用者が共有敷地に対し有する利用権に過ぎないが、これを
     一般には「駐車場専用使用権」と呼び、明文上の根拠規定をもっていない。
 
    ・ 多くの場合、月々の使用料を管理組合に支払って利用されている。
    ・ ところが分譲者が、敷地共有部分は二重に「分譲」するという類型があり
     紛争が多発していた。
    ・ このような「分譲」という方法について、建設省は昭和54年通達によって
    「取引形態としては好ましくないので、原則としてこのような方法は避けることとし、
     また地方公共団体でもまた業界団体においても、独自に自粛を求める指導が行
     われていた。
    ・ さらに昭和55年の宅建業法の改正によって、このような駐車場の二重「分譲」
     は行われなくなった。
      しかし昭和56年1月30日「駐車場専用使用権の設定に関する規定が公序良俗
     に違反すると認められないとした原審の判断は、正当として是認することができる」
     とのみ判示する最高裁判決が現れ、以後新たな混乱を引き起こすこととなる。
    ・ 同判決の「有効」とする結論部分だけが誇大に取り出され、駐車場「分譲」
     という方法が権威づけられる結果が生まれた。
    ・ 最高裁が判断したのは公序良俗違反無効の成否に限られており、「分譲」
     駐車場の法的性格、設定当事者、対価の帰属等について法的解明をしてい
     ない
 
  5、問題提起
    ・ 裁判で公序良俗で争ったのは他に有効な論争点がなかった。
      つまり、いくら契約で決めてもあまりにも不公平ではないかと主張したが
     法的に規制なく(現在は重要事項の説明が義務ずけられているが昭和55年当時は
     そのような規制がない時分の購入契約であったため)一般条項である公序良俗で争
     ったと思われる。
      契約自由の原則があるため最高裁としては公序良俗に反してはいないといっている
     だけである。
      平成10年10月22日最高裁判決(ミリオンコ−ポラス高峰館事件)で「本件のようなマ
     ンションの分譲に際し分譲業者が専用使用権を分譲して対価を取得する取引形態は、
     好ましいとはいえないが、このことのゆえに右契約の
     私法上の効力を否定することはできない」と述べている。
      つまり購入側にも十分に内容を理解してかったのであるから、好ましくは
     ないが無効とはいえない、購入者側に理解不足の落ち度があるといっている
     ようにも聞こえる。
    ・ それでは今後どうすることがいいのか。新規購入者はマンション選びに際し
    考慮すべき事項であることを認識しなければならない。
    ・ すでに購入しているものは、しかたがないとするか、判例が変更されるまで争うか、難
     しい問題である。
      
  6、屋内分譲駐車場
     メリット ・・・・・ 専有部分と認められれば、権利が保護される。
     デメリット・・・・ 共有部分として使用料を徴収できれば、修繕費にあてることができた
               のに、管理組合にその分が入金されないので、各自の負担する管理
               費がその分高く設定される可能性がある 
 
<共有部分と専有部分についての判例>
   1、管理人事務所、車庫専有部分にあたらない  神戸地裁s44.5.26
   2、管理人室は専有部分にあたらない          東京高裁s46..4.28 
   3、ピロティーは共用部分に当たる            東京地裁s51.5.13 
   4、管理人室、車庫は専有部分に当たる         東京地裁s51.10.1
   5、車庫は専有部分、倉庫は共用部分に当たる    東京地裁s51.10.12
   6、ピロティー部分(車庫)は専有部分に当たる     東京地裁s52.12.21
   7、車庫は専用部分、倉庫は共用部分          東京高裁s53.8.16
      5の控訴審
   8、ピロティー部分(車庫)は専有部分に当たる     東京地裁s53.12.7
   9、共用設備が設置された駐車場等は専有部分に  東京地裁s54.4.23
     当たる 
   10、ピロティー部分(吹き抜け)は共用部分に当たる 東京地裁s54.10.30
   11、共用設備の設置された車庫は専有部分に当たる 最高裁 s56.6.18
       7の上告審   
   12、共用設備の設置された倉庫は専有部分の可能性 最高裁s56.6.18
      がある。 7の原判決破棄、差し戻し
   13、共用設備の設置された車庫は専有部分の可能性 最高裁s56.7.17
     がある。               原判決破棄、差し戻し 
   14、車庫として時され、使用されたピロティー部分は  東京地裁s56.8.3 
     専用部分に当たる。
   15、管理人室等は専用部分にあたる。          東京地裁s57.1.27
   16、共用設備の設置された倉庫は専用部分にあたる 東京高裁s57.4.20
       12の差戻控訴審
   17、駐車場、ボイラー室は専有部分に当たる       東京高裁s59.9.25
   18、駐車場は専有部分に当たる。             東京高裁s60.4.30
   19、管理人室は共用部分に当たる             東京地裁s60.7.26  
   20、共用設備の設置された倉庫は専有部分に当たる 最高裁s61.4.25
   21、パラペット部分は共用部分に当たる         大阪高裁s62.11.10
   22、管理人室は専有部分に当たる            東京地裁s63.11.10
   23、管理人室は専有部分に当たる            東京地裁H元3.8    
   24, 管理人室、自家発電、電気室、駐車場、バッテリ-  東京地裁H元10.19 
     室、メーター室等は共用部分に当たる。
   25、機械設備、駐車場部分は専有部分に当たる    東京地裁H2.1.30
   26、駐車場は専有部分に当たる              東京地裁H3.1.29    
   27,管理人室は共用部分に当たる            最高裁H5.2.12
       23こう上告審
   28、各駐車場に通じる昇降車路は建物の一部に当た 大阪地裁H5.3.25
     らない 
   29、駐車場は専有部分に当たり、管理人室は専有   東京地裁H5.9.30
     部分に当たらない 
   30、ピロティー部分は共用部分に当たる          東京高裁H7.2.28
   31、ピロティー部分は専有部分にあたる          神戸地裁H9.3.26
     以上一部とりあげてみましたが、ケースバイケースです。  
 
  判例 1
<1、判決概要>
   マンション購入後隣接地に建築された建物により日照等の被害が生じたため,売主、
  販売業者に対し、マンションの居室の日照に影響を及ぼすような現状以上の高い建物
  は建たない旨の虚偽の説明を受けたとし共同不法行為に基づきあるいは、契約上の債
  務不履行に基づき、損害賠償を負うべきと判断した。
   また、隣地を購入した建設会社に売主等との共同不法行為に基づき損害賠償責任を
  負うべきと判断した。(原告5人1億2000万円の賠償支払いを命じた)
   1億2000万円はマンションの価格下落による損害、借入金利息、慰謝料、弁護士
  費用などが認められている。(東京地裁平成13年11月8日)
 
<2、判決の意味>
   売主・販売業者は同族関係、その隣地を購入した建設会社は親しい関係にあった。 
  本来隣地を購入した会社がマンションの購入に際しての説明義務に関して責任を負う 
  ことについて納得がいかないと思われる。
   建設業者は本件マンションの居室南側の日照・通風・眺望等に重大な障害が生じた 
  ことを容易に知ってこれを回避することができたことが認められるところ、この義務に違
  反して同敷地を購入して2階建て建物を建築し、マンション購入者らに対して損  害を
  与えたものであるから、建設会社には過失があり、不法行為に基づき、損害賠償を負う
  べきであると判断した。安易に建設することによる警鐘を鳴らしているのかもしれない。
   建築基準法に違反していなければ何を建ててもいいということにはならない。
  既にそこに住んでいる人に対する配慮が必要になるといい意味で参考になるだろ  う。
 
 判例2
 <1、判決概要>
  @ マンションにおける共有持分割合と異なる区分所有者間の管理費、修繕積立金の
   負担を定める規約が公序良俗違反に反しないとされた事例
       (東京地裁平成14年6月24日)

  A 区分所有者がマンションの共有部分に当たる駐車場を法的な根拠なく無償で使用
   していた場合について、管理組合が右区分所有者に対して駐車場使用料相当額の変
   換を請求する当事者適格を欠くとされた事例

 <2、判決の意味>
  @ 今回も公序良俗違反で争ったが認められなかった。この点で争っても難しいようである。
  A 裁判は争い方が重要である。そんな印象をもった

判例

平成20(受)666 協力金請求事件 平成22年01月26日 最高裁判所第三小法廷 判決
判示事項 団地建物所有者全員で構成されるマンション管理組合の総会決議により行われた自ら専有部分に居住しない組合員が組合費に加えて住民活動協力金を負担すべきものとする旨の規約の変更が,建物の区分所有等に関する法律66条,31条1項後段にいう「一部の団地建物所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきとき」に当たらないとされた事例
裁判要旨 団地建物所有者全員で構成されるマンション管理組合の総会決議により行われた自ら専有部分に居住しない組合員が組合費に加えて月額2500円の住民活動協力金を負担すべきものとする旨の規約の変更は,次の(1)〜(4)など判示の事情の下においては,建物の区分所有等に関する法律66条,31条1項後段にいう「一部の団地建物所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきとき」に当たらない。
(1) 当該マンションは区分所有建物4棟総戸数868戸と規模が大きく,その保守管理や良好な住環境の維持には管理組合等の活動やそれに対する組合員の協力が必要不可欠である。
(2) 当該マンションにおいては自ら専有部分に居住しない組合員が所有する専有部分が約170戸ないし180戸となり,それらの者は,管理組合の役員になる義務を免れるなど管理組合等の活動につき貢献をしない一方で,その余の組合員の貢献によって維持される良好な住環境等の利益を享受している。
(3) 上記規約の変更は,上記(2)の不公平を是正しようとしたものであり,これにより自ら専有部分に居住しない組合員が負う金銭的負担は,その余の組合員が負う金銭的負担の約15%増しとなるにすぎない。
(4) 自ら専有部分に居住しない組合員のうち住民活動協力金の支払を拒んでいるのはごく一部の者にすぎない。
参照法条 建物の区分所有等に関する法律31条1項,建物の区分所有等に関する法律66条
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