石川県版



ふるさと石川県には計画はされたものの実現には至らなかった鉄道がいくつかあります。
その殆どはいろんな書籍などで紹介はされていますが、私自身まったく知らなかった計画線があったのです。
古い鉄道絵葉書収集で著名な宮田憲誠氏からいただいた資料で初めて知りました。
その資料をもとに自分なりにまとめてみました。


その1 加賀電氣鐵道株式会社

新松任⇔東小松


鉄道大臣宛の鉄道敷設免許申請書(大正15年)

ななんと発起人総代の住所は我が町内ではありませんか、びっくりです。
番地は今と違っておりどこかはわかりませんが。
調べてみると当時の代議士です。
知らなかったな〜


資本金120万円、軌間1067ミリ、動力は電気600ボルト、電力供給者は金沢電気軌道



発起人名簿の一部

自分の知っている方もたくさんいます。
襲名をしている名家もあります。現在の先々代か先代だと思います。


営業収支目論見書

各駅の乗車予想人員や貨物の内容も調べてあります。
これ以外にも各駅から出荷されるであろう貨物の量も記載されています。
中でも多いのは米と家畜、清酒です。



なかなか詳しく調べてあります。


路線平面図

加賀電気鐵道とはどのようなルートで計画されていたのでしょうか。
図面を基に見てみましょう


全体図

この路線が実現していたら・・・・・やっぱり廃線でしょうか・・・。

新松任 → → → → 東小松


起点の新松任駅付近 

省線松任(まったふ)駅前の新松任駅を出た電車は、金沢電気軌道松金線松任駅の前を通り松任町の中心、中町停留場に停車します。


中町停留場を発車した電車は街中を抜け、田園地帯に出ます。倉光(現在の白山市役所付近)、安吉を通り手取川に向かいます


手取川橋梁

この路線の最大の難工事である手取川橋梁を渡り、火釜で能美電鉄(後の北陸鉄道能美線)と平面交差します。
火釜には能美電鉄の火釜駅があり平面交差のための信号所を設ける予定でした。
能美電鉄は辰口温泉の外れを通り省線寺井駅へ向かうのに対し、加賀電気鐵道は辰口温泉の街中を通り一路小松を目指します。


辰口温泉からは起伏に富んだ丘陵地帯を走ります。現在の加賀産業道路とほぼ同じルートです。


そして小松町(現小松市)に入り、省線小松駅の裏口の東小松駅に到着します。
ここは小松製作所発祥の地でもあり、尾小屋鉄道は載っていますが白山電気鉄道はまだ載っていません。



あゝ敷設申請却下!
昭和2年



昭和2年に敷設申請が却下されました。


この鉄道省文書には、加賀電気鐵道の他にも七氷鉄道や氷見電気鉄道の申請も却下されています。
こちらの方も興味津々です。


敷設申請却下決定理由


鉄道省の内部文書


大正15年8月20日申請、昭和2年7月19日却下


却下理由が縷々述べられています



却下理由の一つ、能美電鉄の敷設反対請願書


線路予測平面図によると、次のとおり駅の場所が記されています。


新松任停車場ー中町停留場ー徳行停車場ー剣崎停留場ー安吉停車場ー寄新保停留場ー新村停留場ー上先出停留場ー火釜停車場ー来丸停留場ー辰口停車場ー徳山出村停留場ー


ー下和気停車場ー上八里停留場ー八里停車場ー館停留場ー小野停車場ー古濱停留場ー千代停車場ー白江停車場ー上小松停留場ー小寺停留場ー東小松


加賀電気鐵道についての情報求めています、よろしくお願い申し上げます。


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