はじめに            
  
  「サルの惑星」という映画をご存知でしょうか。宇宙探査に出て、数千年後の地球に戻ってきた宇宙飛行士が、人間のレベルまで進化したサルの社会に、降り立ちます。その頃には人間は、核戦争により滅び去っていたのです。一部の取り残された人間が、猿のようにオリに閉じ込められています。人間の造った文明の成果はすべて、猿により創造されたものとなっていて、猿が世界の主人公になっています。
   「文明の遺物や遺跡は、すべて猿たちの先祖が、創り上げたものであり、文明は古代から一直線で、猿により伝承されてきた。古代の偉業に人間が関わっていた、などというのはとんでもない暴論で、どんなに証拠があろうとも、それを口にしてはならない。それは猿の尊厳を貶めることである。」
   というのが猿の指導者の主張でした。猿の中にも疑問をもつものが出てきたのですが、なかなか認めてもらえないのです。猿の「聖書」に書かれた歴史は、神聖不可侵で、どんなに論理的な新説でも、「聖書」にある言葉に反するものは、存在を許されません。猿の支配にとって、好ましくない説は、すべて葬られるのです。それで、「人間の偉大さを示した」真実の歴史には、全く近づくことができません。実にもどかしく、考えさせられる物語でした。


                              
 

 
  今、地球上には数々の文明の遺跡が残されています。とりわけエジプト文明は、その古さと巨大さにおいて、他を凌駕しています。その中には数多くの、まだ解かれていない謎があります。それを解明するには、エジプト学者の方々の、発掘の成果が第一です。それに加えて、様々な分野や多方面からの、資料も突き合わせて、総合的な整合性を求めてゆくことも、また重要です。そうした結果から、学会の定説と多少違ったものが出たとしても、そうした仮説もまた、科学的に検証することが必要です。例えば、「古代エジプト文明は、エジプト民族固有の偉業なので、他民族の関与に繋がる説は採らない」とか、「通説に反するものは検討に値しない」、ということではなく、様々な異論も検証して、にぎやかな議論を巻き起こす中から、見えてくるものがあると思います。それが「猿の惑星の一員」で終わらずに、真実により近づける道だと思います。ただしその一方で、十分な根拠も提示せずに、いたずらに「宇宙人」や「アトランチス人」・「宇宙の神」などを持ち出して結論づけるのも、真実に近づける道とは、言い難いのではないでしょうか。
  

                               



   そうしたことを踏まえた上で、ここにひとつの仮説を、提示させていただきます。ご高覧頂ければ幸いです。なお、随所に出版物などを、参考とさせていただきました。資料引用はその都度、表示しましたが、記入しきれないものもありましたので、下部に一覧を掲載いたしました。引用などに間違いがある場合は、ご指摘により随時修正して参ります。
   
   日本の月探査船「かぐや」が、撮影をし続けている月について、人工天体だという説が、今でも、いくつもの根拠から指摘されます。旧ソ連科学アカデミーの天文学者が「月は自然の天体ではなく、地球の周回軌道に乗せた人工の衛星だ」と主張したほどです。ことほど左様に、私たちのこの世界には、まだまだ不思議なものが一杯にあります。ですから、今回のテーマについても、ひとつ、伸び縮みのやわらかな、物差しでもって、お楽しみいただければ幸いです。  


            

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  参考文献一覧
  「ファラオ歴代誌」 ピーター・クレイトン著 吉村作治監修  藤沢邦子訳  創元社 
  「ピラミッド大百科」  マーク・レーナー著  内田杉彦訳   東洋書林 
  「ピラミッド」 アルベルト・シリオッテイ著 矢島文夫監訳 吉田春美訳 河出書房新社
  「痛快ピラミッド学」 吉村作治著  集英社インターナショナル
  「ミイラ全身解剖」 ロザリー・デイビッド=リック・アーチボルド著 吉村作治監訳 講談社
  「天空の蛇」 ジョン・アンソニー・ウエスト著 大地 舜訳  翔泳社
  「古代エジプト探険史」 ジャン・ベルクテール著  吉村作治監修 福田素子訳  創元社
  「古代エジプト 失われた世界の解読」 笈川博一著    中公新書
  「エジプトの考古学」 近藤二郎著       同成社
  「ピラミッド 秘密の地下室」 倉橋日出夫著   GAKKEN
  「オリオンミステリー」 ロバート・ボーヴァル=エイドリアン・ギルバート著 吉村作治監修 近藤隆文訳 NHk出版
  「ピラミッド」 ロバート・ボーヴァル著 五十嵐洋子訳  主婦と生活社
  「大ピラミッドのすべて」 K・ジャクソン=J・スタンプ著 吉村作治監修 月森左知訳  創元社
  「ナイルに沈む歴史」 鈴木八司著    岩波新書
  「物語古代エジプト人」  松本 弥著   文芸春秋
  「古代エジプト 埋もれた記憶」 吉村作治著  青春出版社
  「エジプト王国 三千年」 吉成 薫著   講談社
  「古代エジプトを知る事典」 吉村作治編著  東京堂出版
  「古代文明の謎はどこまで解けたかT〜V」 ピーター・ジェームズ=ニック・ソープ著 皆神龍太郎監修 福岡洋一訳  大田出版
  「文明の環境史観」 安田 喜憲著   中公叢書
  「石器時代文明の驚異」 リチャード・ラジリー著 安原和見訳  河出書房新社
  「海を渡ったピラミッド」 ロバート・M・ショック=ロバート・A・マクナリー著 小林由香利訳 NHK出版
  「エジプトの神話伝説(世界神話伝説大系3)」  名著普及会
  「小惑星衝突」  日本スペースガード協会  ニュートンプレス
  「巨大隕石が降る」  金子史朗著  中央公論新社
  「王陵の考古学」  都出比呂志著  岩波新書
  「オーパーツと天地創造の科学」 久保有政著    学研
  「広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由」 スティーブン・ウエッブ著 松浦俊輔訳 青土社
  「歴史」 ヘロドトス著 松平千秋訳  岩波書店
  「エジプト神イシスとオシリスの伝説について」 プルタルコス著 柳沼重剛訳 岩波文庫
  「エジプトの死者の書」 石上玄一郎著  人文書院
  「エジプト死者の書」 ウオーリス・バッジ編纂 今村光一編訳  たま出版
  「古代エジプトの魔術」 ウオーリス・バッジ著 石上玄一郎・加藤富貴子訳  平河出版社
  「MANEYHO」 translated by W.G.Waddell Loeb Classical Library
  「人はなぜ異星人を追い求めるのか」 ジョエル・アカンバーク著 皆神龍太郎監修 村上和久訳  太田出版
  「世界の大遺跡 ナイルの王墓」 桜井清彦著
  「地中海のフェニキア人」 キュリカン著
  「古代アフリカの発見」 デビッドソン著 
  「黒色人国家と文化」 ディオプ著
  「古代エジプトの神々の死」 ジェーン・セラーズ著
  「古代文明の旅エジプト」 ジョルジョ・アニョーゼ モウリチオ・アレ著
  「エジプト古記録」 J・H・ブレステッド著
  「王と神とナイル」 鈴木八司著
  「大ピラミッドの謎と真実」 GAKKEN MOOK